コラム 『日本映画の玉(ギョク)』 「秘蔵ポートレイトで山田五十鈴を偲ぶ[抄]」   Text by 木全公彦
「東京人」10月号
雑誌「東京人」10月号(No.316)に山田五十鈴追悼記事を書いた。

日本映画界が生んだ最強最大の女優
本来ならば、映画と舞台の両方で活躍し、日本映画の歴史とともに生きた大女優であるのだから、丸々一冊山田五十鈴追悼特集号にするべきなのだろうが、せいぜい8ページをいただくのが精一杯だった。これでもがんばったんだから! その代わりといってはなんだが、マイ・コレクションの中から山田五十鈴の秘蔵ポートレイトを3点載せてもらった(うち1点は直筆サイン入り)。これだけでも見るべき価値があると思うので、もう発売から日数が経ってしまったけれども、ぜひお手に取って眺めていただきたいと思う。

といっても、なにせページ数が限られているため、全体のバランスを考えながら書いた文章なので、映画雑誌でもないので、まあこんなもんだろうが、せっかくの秘蔵ポートレイトが3点しか掲載できなかったことが心残りで、ならば残りの一部を適当にセレクションして、本欄でご紹介したいというのが今回のコラムである。掲載するのはマイ・コレクションの一部とはいえ(したがって[抄]とした)、「東京人」に掲載した写真を外したうえで残りからセレクションして載せたが、いずれも貴重なポートレイトばかりだと思う。戦前を中心にして1952年頃までのものを選んだが、一体いつの頃の写真なのか不明なものが多い。したがって便宜上キャプションは付けたが、あまり信頼性のあるものとはいえない。あらかじめご容赦願いたい。