第６７回ヴェネチア国際映画祭Ｗ受賞！アフガニスタンの荒涼とした大地。上空を米軍のヘリコプターが飛行し、地上ではアメリカ兵が偵察活動を行なっている。ムハンマドはひとり洞窟の影にひそんでいた。彼は手にもったバズーカでアメリカ兵を吹き飛ばす。逃げるムハンマド。追うヘリコプター。彼はヘリに攻撃され倒れる。爆音で一時的に聴力を失くしムハンマドは米軍の捕虜となったが…。

『月曜日に乾杯！』『ここに幸あり』のヒットで日本でも多くの熱狂的ファンをもつ世界的名匠オタール・イオセリアーニの最新作は、イオセリアーニの故郷グルジアを舞台に、自身の半生を主人公に投影させ、アイデンティティーを確立し“自分自身でいること”の困難と大切さを詩情豊かに描いた半自伝的映画。

DVD同時発売！！

フランスの名匠、ジャック・リヴェット監督の新作。旅回りを続ける小さなサーカス団を舞台に展開する人間模様を、南フランスの明るい光のもとに軽妙なタッチで描く。魅惑的でスリリングなサーカス一座の暖かな愛の物語。出演は「美しき諍い女」のジェーン・バーキン、「赤いアモーレ」のセルジオ・カステリット。

日本人で初めてとなるNFBとの共同制作アニメーション、山村浩二最新作『マイブリッジの糸』、Blu-rayで遂に刊行！"映画の発明に大きなインスピレーションを与えた写真家エドワード・マイブリッジと、「母と娘」のもう一つの物語が時空を超えて織りなす映像詩"

「選挙」や「精神」などの観察映画シリーズとして映画を撮り続けている想田和弘監督の最新作。主な登場人物は、3人の人間と野良猫たち。岡山で高齢者や体の不自由な人の移動手段を手伝う福祉車両を運転する義理の父やたくさんの人々をカメラにおさめていく。音楽もなく、猫が出てきて、お年寄りが出てきて、、という本当に観察をしている映画だが、そこから見えてくるものは平和な日常の良さや幸せの意味といった深遠なテーマである。ただ人間や猫をながめているだけなのに心を動かされる不思議な傑作。

Blu-ray同時発売！！

1901年1月に生まれた2人の主人公。地主の孫息子と小作人頭の孫息子。彼らがお互いに惹かれ合い反発しながら、歴史の荒波にのまれ乗り越えていくさまを壮大なスケールで描いたベルトルッチの一大長編作品。20世紀前期のイタリア現代史がポー河沿いの美しい農村風景を舞台に大絵巻のように映像化された野心的傑作である。Ｒ・デ・ニーロ、Ｄ・サザーランド、Ｇ・ドパルデュー、Ｄ・サンダ等欧米の大スター出演の豪華なキャスティングもみもの。

「青い麦」で知られる女流作家コレットの手記をヒントに製作されたフランス映画の異色作。「潜水服は蝶の夢を見る」や「ミュンヘン」で名高い仏の人気俳優マチュー・アマルリックが監督・主演をつとめた本作は、現在欧米で人気爆発中の女性たちによるセクシーエンタテイメント"ニュー・バーレスク"一座のフランス巡業を描いたロードムーヴィー。ジョン・カサヴェテスやジャック・ドゥミにオマージュを捧げた映画愛溢れる涙の１本。

クラシック音楽の歴史にその名を残すイタリアの巨匠プッチーニ。 トスカーナの湖畔トッレ・デル・ラーゴの街を舞台にオペラ 「西部の娘」の創作に取り組む作曲家と清純なメイドとの間に 起こった悲しいスキャンダルを描いた本作は、現代イタリア映画界 きってのアート系作家パオロ・ベンベヌーティの傑作。パゾリーニとも 相通ずる硬派な映像作家が作り出す霊的風景と魅惑のサウンドで構成された夢物語。 セリフを極力排した映像と音のパノラマで作曲家の内面を描いた異色の１本。

監督：アンジェイ・ワイダ
収録作品：「鉄の男」「ダントン」「悪霊」

ポーランド出身の映画作家が元気である。「エッセンシャル・キリング」のイエジー・スコリモフスキ、「ゴーストライター」のロマン・ポランスキー、そして彼らの師匠格ともいえるアンジェイ・ワイダも今秋最新作が日本に上陸する。「世代」「灰とダイヤモンド」「地下水道」の“戦争三部作”で世界的な名声を獲得したワイダだが７０年代以降、労働組合「連帯」の流れに同調して撮りあげた「鉄の男」にガッツとタフネスの作家的素性が滲みでる。何と言ってもカンヌ映画祭でパルム・ドールだ。

監督：ヴィム・ヴェンダース
出演：カンピーノ、ジョヴァンナ・メッソジョルノ、デニス･ホッパー、ミラ・ジョヴォヴィッチ　ほか

「パリ、テキサス」や「ベルリン・天使の詩」で世界中の映画ファンに興奮を与えてきたヴィム・ヴェンダースはここ数年 日本ではほとんどヒット作がなく、当時のファンも離れつつあった。そんな中この映画の登場でヴェンダース好きな お客さんたちをうならせた。カメラマンのフィンは新作の撮影でイタリア・パレルモを訪れる。生きることの意 味を見失っていたフィンは、ある一人の女性と出会い奇妙な体験を通して、生きることの素晴らしさに気付い ていく。デニス・ホッパーの出演もみどころだ。

監督：クロード・シャブロル
出演：マドレーヌ・ロバンソン/ジャック・ダクミーヌ/アンドレ・ジョスラン/ジャンヌ・ヴァレリー　ほか

アメリカ人作家スタンリー･エリン原作に基づく話。南仏プロヴァンス郊外に住むブルジョア一家。母は家族から嫌われた嫌な家長。父は隣家に愛人を囲い、愛し合う日々を過ごしていた。クラシック音楽好きの長男、自由気ままな青年を好きになってしまった妹、青年役をゴダールの「勝手にしやがれ」のジャン・ポール・ベルモンドが演じる。ある日、愛人の死体が見つかる。犯人は誰なのか？何のために？クラシック音楽と共に人間の心情も描いていくシャブロルスタイルが確立されたこの作品は色彩も素晴らしい。