コラム 『日本映画の玉(ギョク)』
鈴木英夫<その15> 『九尾の狐と飛丸』をめぐって[後篇]   Text by 木全公彦
スタッフ追補
原画には吉川惣司(1947年~)が参加している。高校を卒業して虫プロに入社。TV『鉄腕アトム』(63)の第1作からアニメーターとして参加。1967年には杉井ジサブロー、出崎統らとアートフレッシュを設立。アートフレッシュが参加した虫プロ『悟空の大冒険』(67)でもアニメーターとして参加。『天才バカボン』(71)演出・脚本、『巨人の星』、『あしたのジョー』(70)演出、『ムーミン』、『ルパン三世 (TV第1シリーズ)』(71)絵コンテ・脚本、『未来少年コナン』(78)脚本など。CF、イベント、ステージ、小説活動も多い。長篇アニメでは、東京ムービーの『ルパン三世 ルパンVS複製人間』(78)監督・脚本・絵コンテ)をはじめ、『SF新世紀レンズマン』(84)、『装甲騎兵ボトムズ ザ・ラストレッドショルダー』(85)、『装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端』(94)およびそのノベル。

作画主任の永沢詢(1936年~)は、現在は永沢まことの名でイラストレーターとして活躍。1957年、東映動画に入社し、アニメーターとして活躍。『白蛇伝』(58)動画、『少年猿飛佐助』(59)動画、『西遊記』(60)動画、『安寿と厨子王丸』(61)動画、『もぐらのモトロ』(62)キャラクターデザイン・原画 、『わんぱく王子の大蛇退治』(63)原画、『ガリバーの宇宙旅行』(65)原画、『おそ松くん』(66 – 67)演出チーフ、『ファイトだ!!ピュー太』(68)構成・演出。著作に『ニューヨーク人間図鑑』(共著、79、草思社)、『ノンフィクション・ニューヨーク』(83、草思社)、『旅でスケッチしませんか』(98、講談社)、『永沢まこと 海辺のイタリア』(99、講談社)、『2001年哲学の旅 ― コンプリート・ガイドブック』(共著、01、新潮社)、『絵を描く、ちょっと人生を変えてみる』(02、講談社)、『永沢まことのとっておきスケッチ上達術』(03、草思社)、『永沢まことの「ペン一本」で描ける簡単スケッチ講座』(04、講談社)、『永沢まことの絵の描き方7日間』(06、草思社)など。

なお、ネット上のアニメ研究サイト【WEBアニメスタイル】には、永沢詢のインタビューが掲載されており、【永沢詢インタビュー(6)】には、『九尾の狐と飛丸(殺生石)』について言及がある。

【本稿取材データ】
長田千鶴子 2012年4月8日 吉祥寺にて取材
杉山卓 2012年4月12日 新宿にて取材
吉岡道夫 2012年4月22日 市川にて取材

長田千鶴子、杉山卓の両氏からは当時の製作資料を拝借した。この場を借りてお礼を申し上げたい。(木全公彦)