第21回 リパート映画、バーバラ・スタンウィック






サミュエル・フラー監督の日本未公開の異色西部劇『四十挺の拳銃』(DVD題。1957)のDVDが11月25日、紀伊國屋書店から発売。以前国内版ビデオも出ていたが、トリミング版だった。今回のDVDはシネマスコープのノートリミング版。

サミュエル・フラー監督の日本未公開の異色西部劇『四十挺の拳銃』(DVD題。1957)のDVDが11月25日、紀伊國屋書店から発売。以前国内版ビデオも出ていたが、トリミング版だった。今回のDVDはシネマスコープのノートリミング版。

この映画の鉄砲鍛冶屋の場面で、主人公の弟に扮するジーン・バリーが小銃の銃身を通して鍛冶屋の娘を見つめた後、二人がキスするつなぎは、ジャン=リュック・ゴダールの長編処女作『勝手にしやがれ』(1960)で模倣したことで有名。フォックス時代のフラー作品としては『拾った女』(1953)と並び最も上映時間の短い80分の映画であり、その完成度はきわめつけと言っていい。撮影はロバート・オルドリッチとのコンビで有名なジョーゼフ・バイロック。フラーの最初の台本でははラスト・シーンで、バリー・サリヴァン扮する主人公の連邦保安官が、手前勝手な無法者に人間の盾に使われた恋人を撃ち殺した後、その場を去るというあまりに例外的なものだったが、フォックスの営業担当者の意向により、現行のように改変された。

フラーはリパート映画で監督デビューし、3作を監督した後、廿世紀フォックス社に移り、朝鮮戦争もの『折れた銃剣』(1951)、『パーク・ロウ』(未。1952)、『拾った女』(1953)、『地獄と高潮』(1954)、『東京暗黒街・竹の家』(1955)を撮り、半年の自由契約期間中に自らの製作会社グローブ・エンタープライジズで『赤い矢』(1957)を撮った後、廿世紀フォックスで『チャイナ・ゲイト』(未。1957)、『四十挺の拳銃』を撮った。フラーが製作・脚本・監督を兼ねたフォックス映画は1957年に撮影された『チャイナ・ゲイト』と『四十挺の拳銃』のみであり、共に撮影はジョーゼフ・バイロック、美術はジョン・マンズブリッジ、編集はジーン・ファウラー・ジュニアである。

「第5回」で紹介したサミュエル・フラー監督の『地獄への挑戦』(1948)と『アリゾナの男爵』(未。1949)、朝鮮戦争もの『鬼軍曹ザック』(1950)は、リパート映画だが、これらを含む多くのリパート映画は、フェニックスに本拠をおくキット・パーカー・フィルムズが権利を所有している。その多くはVCIが順次DVD化しているが、キット・パーカー・フィルムズのサイトによると、上記のフラー作品3本は、クライテリオンが2006年にDVD化すると告知されている。ただし現時点で発売未定。『鬼軍曹ザック』のDVDはイタリアのエルミタージュから出ているがイタリア語音声。

「第17回」で紹介したVCIの『伝説の無法者2本立て』に続いて、VCIからリパート社の西部劇やフィルム・ノワールが次々とDVD化されている。キット・パーカー2本立てDVD『西部劇フィルム・ノワール第1巻』が9月26日に出た。収録作はバリ・プロ製作、リパート配給の西部劇『リトル・ビッグ・ホーン』(未。1951)とリパート製作・配給の『リムファイヤー』(未。1949)。

前者は『虐殺の砂漠』(1952)のチャールズ・マーキス・ウォレン脚本・監督。これが初監督作、リパート製作・配給の『虐殺の砂漠』が第2作、パラマウント社の西部劇『アロウヘッド』(1953)が第3作である。主演はロイド・ブリッジス、ジョン・アイアランド、メアリ・ウィンドソー。撮影はアーネスト・ミラー。後者は1915年監督デビューのヴェテラン、B・リーヴス・イーソン監督。『ベン・ハー』(1925)の42台のキャメラを用いたチャリオット・レース場面、『風と共に去りぬ』(1939)のアトランタ炎上場面も演出した。『壮烈第七騎兵隊』(1941)や『白昼の決闘』(1946)、『ダラス』(1950)、『南部に轟く太鼓』(1951)では第2班監督。主演は、リチャード・アーレン主演のリパート西部劇『決闘の断崖』(1948)でも共演しているジェイムズ・ミリカンとメアリ・ベス・ヒューズ。撮影はこれも『虐殺の砂漠』のアーネスト・ミラー。

同じく9月26日に、同じVCIから『忘れられたノワール〜コレクターズ・セット』第1巻〜第3巻も出た。それぞれ2本立てディスク。  第1巻収録作は『ポートランド・エクスポゼイ』(未。1957)、『彼らはとても若かった』(未。1954)、第2巻収録作は『悪徳高利貸し』(未。1952)、『放火社』(未。1949)、第3巻収録作は『シャドウ・マン』(未。1953)、『銃殺』(未。1947)。

  コロナ・チネマトグラフィカ製作、リッパート配給の西独=米国合作映画『彼らはとても若かった』は、キング兄弟製作の『群盗の宿』(1949)や『カーニバルの女』(1954)のカート・ノイマン監督。主演はヴィーン出身で、オットー・プレミンジャーの『月蒼くして』(1953)ドイツ語版(未)にも出たヨハンナ・マッツと『大砂塵』(1954)のスコット・ブラディ。アンコール・プロ製作、リパート配給の『悪徳高利貸し』は、シーモア・フリードマン(1917−2003)監督。主演はジョージ・ラフト、ドロシー・ハート。撮影は『攻撃』(1956)、『四十挺の拳銃』のジョーゼフ・バイロック。 『放火社』(1949)はウィリアム・A・バーク監督。主演はロバート・ロワリー、アン・グウィン。『シャドウ・マン』はリチャード・ヴァーノン脚本・監督。主演はヴィクター・マダーン、シザー・ロメロ。『銃殺』は、ウィリアム・A・バーク監督。主演はラッセル・ウェイド、エドマンド・マクドナルド。

『四十挺の拳銃』の主演女優バーバラ・スタンウィックは来年の7月16日に生誕百年を迎える。ハリウッドでの愛称は「クイーン」。オスカー受賞歴のない最大の映画女優。圧倒的な存在感であらゆる役柄をこなした。50年代にはもっぱら男性観客向けの活劇で活躍したが、『四十挺の拳銃』撮影時には、50歳を迎えようとしていた。この映画での大牧場を牛耳る女傑の役柄は、アンソニー・マン監督の異色西部劇『復讐の荒野』(放映題。1950)での彼女の役に通じるものだ。

バーバラ・スタンウィックの50年代作品は以下の通り。『血ぬられた情事』(放映題。パラマウント。1950。監督ロバート・シオドマク)、ウィリアム・アイリッシュの『死者との結婚』(1948)を原作とする『彼女一人のための男はいない』(未。パラマウント。1950。監督ミッチェル・ライセン)、『復讐の荒野』(パラマウント。1950。監督アンソニー・マン)、『スピード王』(MGM。1950。監督クラレンス・ブラウン)、ジョーゼフ・コットン主演の『マントの男』(未。MGM。1951。監督フレッチャー・マークル)、『熱い夜の疼き』(放映題。RKO。1952。監督フリッツ・ラング)、『人妻の危機』(短縮版公開。MGM。1953。監督ジョン・スタージェス)、『タイタニックの最期』(DVD題。1953。廿世紀フォックス。1953。監督ジーン・ネグレスコ)、『望むのはこれだけ』(未。ユニヴァーサル。1953。監督ダグラス・サーク)、3D西部劇『ムーンライター』(ワーナー。1953。監督ロイ・ローランド)、『吹き荒ぶ風』(ワーナー。1953。監督フーゴ・フレゴネーゼ)、『殺人目撃者』(放映題。UA。1954。監督ロイ・ローランド)、『重役室』(MGM。1954。監督ロバート・ワイズ)、『バファロウ平原』(RKO。1955。監督アラン・ドワン)、『欲望の谷』(コロンビア。1955。監督ルドルフ・マテ)、『辺境の追跡』(放映題。RKO。1955。監督アラン・ドワン)、『いつでも明日がある』(未。ユニヴァーサル。1956。監督ダグラス・サーク)、『烙印なき男』(リパブリック。1956。監督ジョー・ケイン)、ジェイムズ・キャグニー主演の『あの考え違いの歳月』(未。MGM。1956。監督ロイ・ロウランド)、『痴情犯罪』(UA。1957。監督ガート・オズワルド)、『荒野の追跡』(放映題。UA。1957。監督チャールズ・マーキス・ウォレン)、『四十挺の拳銃』(DVD題。廿世紀フォックス。1957。監督サミュエル・フラー)。

これらのいくつかはDVD化されている。まず『熱い夜の疼き』は、米ワーナーからDVDが出ている。同作のほか、『生まれながらの殺し屋』(ビデオ題。1947。監督ロバート・ワイズ)、『十字砲火』(1947。監督エドワード・ドミトリク)、『犯罪王ディリンジャ』(1945。監督マックス・ノセック)、『その女を殺せ』(ビデオ題。1952。監督リチャード・フライシャー)を収録した『フィルム・ノワール古典集第2巻』DVD−BOXもある。未公開作ながら、クリストフ・ウェブ、スタンウィック共演の『タイタニックの最期』はフォックス・スタジオ・クラシックの1本として国内盤DVD化されている。アカデミー・オリジナル脚本賞受賞。『バファロウ平原』の米VCI盤DVDは「第9回」で紹介済み。

『欲望の谷』は、先ごろ(2006年8月30日)亡くなったグレン・フォード主演の西部劇。日本盤では、『コロンビア・トライスター ザ・ウエスタン・ムービーズ VOL.4』に収録。他の収録作は『秘境』(1949。製作・監督S・シルヴァン・サイモン)、『絞首台の決闘』(1959。監督ネイザン・ジュラン)、TV西部劇『シャドー・ライダー』(1982。監督アンドルー・V・マクラグレン)。米盤はバラ売りあり。日本語字幕付き。『辺境の追跡』は、『バファロウ平原』同様、製作ボージェス、監督アラン・ドワン、撮影ジョン・オルトン、美術ヴァン・ネスト・ポルグレーズの1本。『RKOアドヴェンチャー・クラシック2本立て』としてグレン・フォード、アン・シェリダン共演の『地獄の道連れ』(1956。監督ジャック・ターナー)と2本立てでVCIからDVDが出ていたが廃盤。ガード・オズワルド監督の『痴情犯罪』(米MGM盤DVDレヴュー)は日本未公開のフィルム・ノワール。共演はスターリング・ヘイドン、レイモンド・バー。撮影は『ローラ殺人事件』(1944)、『小間使』(1946)などのジョーゼフ・ラシェル。「第14回」でも紹介したが、晩年のスタンウィックの代表作ともいうべきTV西部劇『バークレイ牧場』(1965-69)シーズン1のDVD−BOX(5枚組。30話収録。1530分)は米フォックスから5月16日に出た。

続いて、1930年代のスタンウィック出演作の興味深いDVDをいくつか紹介しよう。

まず『バーバラ・スタンウィック スクリーン・ゴッデス・コレクション』DVD−BOX(6枚組)。英国4フロント・ヴィデオより発売。収録作は『深夜の告白』(1944。監督ビリー・ワイルダー)、『レディ・イヴ』(1941。監督プレストン・スタージェス)、『風雲のチャイナ』(DVD題。1933。監督フランク・キャプラ、英盤レヴュー)、『ゴールデン・ボーイ』(1939。監督ルーベン・マムリアン)、『奇蹟の処女』(1931。監督フランク・キャプラ、英盤レヴュー英語記事)、『望むのはこれだけ』(未。1953。監督ダグラス・サーク)。30年代キャプラ監督作の2本は貴重だ。

成城大学文芸学部英文学科では谷内田浩正による「英語文化論講義I 1930〜50年代ハリウッド映画と社会変動」という講義が行われている。この講義計画には「バーバラ・スタンウィックによる映画史−『奇蹟の処女』から『四十挺の拳銃』」という項目が含まれるのが興味深い。

スタンウィックの映画デビュー作はジョージ・フィッツモリス製作・監督、ロッド・ラ・ロック主演のユナイティド・アーティスツ社作品『壁の中の声』(1930)だが、彼女がキャプラと組んだのは主演3作目にあたるコロンビア映画『有閑夫人』(1930、英語記事)が最初である。共演はロウエル・シャーマン。さらに『奇蹟の処女』を経て、スタンウィック、キャプラの3作目にあたるのが『たそがれの女』(1932、英語記事)。共演はアドルフ・マンジュー。さらにスタンウィックとキャプラは『風雲の支那』でも組むが、これが最後のコロンビア映画。ギャリー・クーパー主演の『群衆』(1941)はウォーナー=キャプラ・プロ作品。

なおソニー・ピクチャーズから『フランク・キャプラDVDコレクターズBOX』(10枚組、9作品)が12月20日発売。収録作は『陽気な踊り子』(1928)、『プラチナ・ブロンド』(1931)、『狂乱のアメリカ』(1932)、『風雲のチャイナ』(1933)、『或る夜の出来事』(1934)、『オペラハット』(1936)、『失はれた地平線』(1937)、『我が家の楽園』(1938)、『スミス都へ行く』(1939)+『フランク・キャプラのアメリカン・ドリーム』(1997。演出ケネス・バウザー)他の特典ディスク。ジーン・ハーロウ主演の『プラチナ・ブロンド』とウォルター・ヒューストン主演の『狂乱のアメリカ』と『風雲のチャイナ』は国内初DVD化。ちなみに『プラチナ・ブロンド』の北米盤は日本語字幕付き。『フランク・キャプラのアメリカン・ドリーム』は以前、『陽気な踊り子』とのカップリングでDVD化されていた。北米盤『プレミア・フランク・キャプラ・コレクション』(6枚組、5作品)は12月5日発売。収録作は『狂乱のアメリカ』、『或る夜の出来事』、『オペラハット』、『我が家の楽園』、『スミス都へ行く』+特典ディスク。 

プロダクション・コード以前のスタンウィック出演作『紅唇罪あり』(1933。監督アルフレッド・E・グリーン)は、米ワーナーが12月5日発売の『禁じられたハリウッド第1巻』(2枚組)DVDに収録。ほかの収録作はメエ・クラーク主演、『ウォタルウ橋』(1931。監督ジェイムズ・ホエイル)、ジーン・ハーロウ主演『赤毛女』(未。1932。監督ジャック・コンウェイ)。

『紅唇罪あり』はプロダクション・コード実効後、最初に禁じられた映画の1本。ジョン・ウェインも出ている。2005年に米議会図書館により国民映画登録に加えられた。公開版と2004年に発見された検閲前未公開版を収録。

『紅唇罪あり』検閲前版に関する英語記事 filmradar.com
『紅唇罪あり』検閲箇所などに関する英語記事

またスタンウィック・ファン必見のお勧めは、1930年代のRKO社作品。イタリアのソニー・ピクチャーズ、スペイン、マンガ・フィルムスから出ているレイ・ジェイソン監督の傑作奇人喜劇『美人は人殺しがお好き』(ビデオ題。1938)のDVD。共演はヘンリー・フォンダ。彼らの共演は『レディ・イヴ』(1941)よりこちらが先。

レイ・ジェイソン監督の『花嫁の家出』(1936)のDVDもイタリアのソニー・ピクチャーズおよびスペインのマンガから出ている。ちなみに忘れられた映画作家レイ・ジェイソン監督の日本公開作には、ほかに『聖林裸道中』(1936)、『世界の歌姫』(1936)、『新人豪華版』(1937)がある。ジョージ・スティーヴンス監督、スタンウィック主演の『愛の弾丸』(ビデオ題『アニー・オークレー』。1935)のDVDもスペインのマンガから出ている。アルフレッド・サンテル監督の『二人で朝食』(未。1937)のDVDも同じくマンガから8月30日に出た。共演はハーバート・マーシャル。『教授と美女』(1941。監督ハワード・ホークス)、『深夜の告白』などの有名作は紹介するまでもないだろう。日本では比較的知られていない1940年代のスタンウィック出演作のDVDをいくつか紹介しておく。ユナイティド・アーティスツ社作品、エーリヒ・マリア・レマルク原作、アンドレ・ド・トス監督の『いのち短し』(放映題。1947)のDVDはスペイン、スエビア・フィルムから出ている。共演はデイヴィッド・ニーヴン、リチャード・コンティ。

なおスエビア・フィルムからはアンドレ・ド・トス監督、ジョエル・マクリー、ヴェロニカ・レイクという『サリヴァンの旅』(1941)主演コンビ共演のノワール西部劇『復讐のニ連銃』(1947)のDVDも6月15日に出た。撮影は『激戦地』(1946)、『赤い河』(1948)、『拳銃魔』(1949)のラッセル・ハーラン。ヴェロニカ・レイクは1944年12月13日に、アンドレ・ド・トスと結婚、1952年6月2日に離婚。 続いてスタンウィック出演作をもう1本紹介しよう。有名なストリッパー、ジプシー・ローズ・リーの小説『Gストリング殺人事件』(1941。実際の執筆者はクレイグ・ライス)に基づくウィリアム・A・ウェルマン監督の日本未公開作『バーレスクの淑女』(1943)のDVDは米アルファ・ヴィデオ、ローン、イメージ・エンターテインメントからそれぞれ出ている。

未公開作ながら2005年にフォックスから国内盤DVDも出たスタンウィック主演作『クリスマス・イン・コネチカット』(DVD題。1945。監督ピーター・ゴドフリー)には『小間使』(1946。監督エルンスト・ルービッチュ)のレジナルド・ガーディナーや「第2回」で紹介したウナ(ユナ)・オコナーも出ている。12月8日に期間限定生産でリイシューされるが、690円なのでお買い得。特典の『Star in the Night』(1945。約21分、英語記事)はドナルド・シーゲルの監督デビュー作。アカデミー最優秀短編賞受賞。5日で撮影された。主演はシーゲルが第二班でたびたび演出したことのあるJ・キャロル・ナイシュ。シーゲルは1946年、『クリスマス・イン・コネチカット』に出ているシドニー・グリーンストリート主演の『評決』(未)で初めて長編を監督することになる。

・「第13回」追加情報

米VCIから『ハマー・フィルム・ノワール』第4巻と第5巻のDVDが11月28日に出る。いずれも2本立て。「第4巻」は『36時間』(ビデオ題。1953。監督モンゴメリー・タリー、主演ダン・ドゥリエイ)と『国際偽札団』(ビデオ題。1952。監督テレンス・フィッシャー、主演ザカリー・スコット)を収録。「第5巻」は『ガラスの檻』(ビデオ題。1955。監督モンゴメリー・タリー、主演ジョン・アイアランド)と『殺しの代償』(ビデオ題。1954。監督モンゴメリー・タリー、主演デイン・クラーク)を収録。

・「第12回」追加情報

「第12回」で、フランスMK2から出た、久石譲の音楽付きの『キートンの大列車強盗』のDVDを紹介したが、『久石譲 meets THE GENERAL キートンの大列車追跡<80周年記念リマスター・ヴァージョン>』と題したDVDがデックスエンタテインメントから12月8日に発売。本編DVDとサントラCDの2枚組仕様。録音風景等の特典映像付き。ただし音楽中心の企画ものらしく、MK2盤の特典にあったキートンやこの映画の元ネタ関連の各種映像は収録されない。

・「第4回」追加情報

ル:ヴォワールよりフィリップ・ガレルの『現像液』(1968。62分。無声)、ジャッキー・レイナルの『Deux fois』(1969。72分。英語・独語・伊語・西語字幕)のDVDが10月20日に出た。東京日仏学院で上映されたばかりのガレルの『処女の寝台』(1969)のDVDも近日発売予定。またイジドール・イズーの初のレトリスム映画『涎と永遠についての概論』(1951)のDVDも近日発売予定。『涎と永遠についての概論』についてはエリック・ロメール『美の味わい』(勁草書房、1988)を参照。また彦江智弘「夜が動く−エリック・ロメールと五〇年代のアヴァンギャルドたち」(『ユリイカ』2002年11月号)をも参照。

ル・ヴォワールの注文フォーム
『現像液』DVDについて(仏語)
『Deux fois』DVDについて(仏語)
東京日仏学院の「フィリップ・ガレル、現代映画の秘密の子供」
2002年12月に東京日仏学院で催された「モーリス・ルメートル」展『涎と永遠についての概論』